その他の戦略/戦術シミュレーションの話
- 銀河英雄伝説シリーズ
- 友人の所で、2をちょっといじってみただけ。
コンセプトとしては面白そうなのだが、完成度が低い。
ウォーゲームが好きな人にはぬるすぎて、
原作ファンでウォーゲームが全く駄目な人には難しすぎる。
- 艦隊を編成出来、艦隊単位で動かすのは、なかなか、
艦隊戦の雰囲気を良く表していて良く出来ている。
武器の種類が、ミサイル,レーザー,艦載機の3つだけだが、
艦隊戦を重視しているので、少ないとは思わないし、
3つのバランスも、取れていると思う。また、物資の概念も
なかなか良く表せている。艦船の種類も、まぁまぁ、いい感じ。
索敵も、ま、そんなもんでしょ、って感じ。
- 問題は、いかんせん、重い。それから、敵がはっきりいって馬鹿。
惑星の概念とか価値とか存在意義とかがわからない、
自主星を敵に獲られない事だけ注意すれば、
その他の惑星を全く無視しても勝利できる。
それから、移動処理が結構まぬけていて、
艦隊の個々の部隊が、余計な所に「ひっかからない」事に結構気を取られて、
うざったい。
- ちょっと触った感じはいい感じなのだが、
やってみると、なんか不満が多い。
- メビウスリンク(MOBIUS LINK)シリーズ
- 劣化版銀英伝と呼ばれる事があるかもしれないが、
まさしくそんな例えで言い表せると思う。
- でも、後発な分だけ完成度は値段(廉価版限定)の割に高いと思う。
廉価版じゃない方だと……、
やっぱり駄目な単なるキャラゲ、になってしまうかな。
- 銀英伝と比べると、独自の補給線ルールが追加されており、
これがゲーム中、非常に大きなウェイトを占めている。
この補給線ルールにより、
銀英伝と似たシステムでありながら、
独自色を出しつつゲームバランスを取る事に
ある程度成功している一面があると思う。
補給確保と言う点で、惑星の存在意義が見出されているし。
- ただ、主力艦隊同士が正面衝突すると、
力押しのぶつかり合いの削り合いになるのは、
銀英伝と変わらず。
回避しようと前進しても、敵の艦隊に引っかかって進めないし。
転進しようとすると、凄い勢いで削られるし。
後退しようとすると、前進の方が速いから追いつかれるし。
となると結局、
重装甲艦隊を敵の主力艦隊の正面にぶつけて耐えつつ、
高速艦艇をそこら中に飛ばして敵の補給線を断ちつつ、
高速艦隊を敵の側面や背後に回して挟む。
と言うパターンができてしまう。
- XCONQ
- unix 系や MS-Win 系、どちらの版もある戦略物。
- 元祖ボード版戦略ゲームの味わいをそのまま残していると思う。
もっとも、私自身は戦略/戦術ボードゲームをやった事がないのだが。
今度 Mech やらせて下さい、THM 親方。とか言ってみる。
- 現代風のデザインや、事細かな兵器性能にこだわる人には向きません。
その辺りの細かい事を棄てる事で、大戦略を得ています。
- また、リアルタイムターン制とでも言ったら良いのか、
1ターン当たり決められた行動ポイント内でリアルタイム制、と言う
システムになっています。
- 古代セット?や艦隊戦セット?や宇宙戦セット?もあるので、
ちょっと毛色の変わったプレイも出来ます。
個人的には、宇宙戦セット?で、DeathStar と Galaxy級戦闘艦を
7星と7隻ならべ、TIE-Fighter と Tripod を満載し、
ずんずんと迫るのが好きだったり。
- 対人でやってみたいけれども、のってくれる人もいないし、
時間もかかりすぎるし。
- xconq は、2004年初めの 7.4.1 で開発やめちゃったっぽい。
ターン制とリアルタイム制が並立した戦略級ウォーゲーム。
ターン制とリアルタイム制に関するルールは、
工画堂のガジェットトライアルに似ている(順番が逆だけれど)。
大局的にはターン制だけれど、1ターン内ではリアルタイム制。
1回の移動/攻撃で行動ポイントを使い切る必要は無く、
ターン内で行動ポイントが残っていれば、何度でも移動/攻撃できる。
次ターンへ繰り越せる行動ポイントは上限が有る。
これらのルールの組合せの結果、リアルタイム制なのだけれど、
急いで操作したり、慌てて判断する必要は無く、
じっくり考えて行動できる。
この辺が、同じリアルタイム制でも、
一時期の大戦略シリーズや、Power DoLLS 3〜4 の様な、
止まる事無く動き続けるリアルタイム制と違い、
いい感じに、独自性が出ている。
索敵ルールは、ゲーム開始時に有無を選択できる。
マップは、シナリオ毎に半固定。
プレイ毎に、シナリオ条件に従って地形がランダムに生成される
(フラクタルの応用らしい)ため、
全く同じマップを2回プレイする事は不可能、
プレイ毎に違うマップをプレイできる。
兵器の種類も、各シナリオにつき全兵種合わせて5〜10種類くらいに絞られている。
石器時代の戦争から、第2次大戦を経て、
スターウォーズ/スタートレック混在の大戦まで、
シナリオ(及びユニット)に幅がある……。
第2次大戦の世界地図シナリオなんて、
よっぽどのウォーゲーム好きでないとプレイできないと思う、
私はシナリオ選択時のマップ生成概略を見ただけで投げ出した。
スターウォーズ/スタートレック混在シナリオだと、
デススター8基に巡航艦(名前忘れた、スタートレック由来)8隻で、
88艦隊、とか言うバカネタができる……、
もちろん、デススター建造に莫大な時間と金がかかる。
シナリオによっては、補給がとてもきつい上に、
輸送船より弩級戦艦の方が物資輸送の容量が大きかったりして、
弩級戦艦が輸送船になってしまい、
輸送船で飽和攻撃をしかける事態に陥ってしまったり、
さらにそれが結構有効に効いてしまったりする
(強力な単発攻撃より、単純な飽和攻撃の方が、場合によっては効果が大きい)
オマヌケ。
自動補給機能があるのだけれど、これの作りがかなり駄目で、
物資が尽きて補給できる見込みが無い拠点へ補給に行って
永遠に帰って来れなくなったり、
現在位置から補給可能場所へ直線で移動するものだから、
途中にU字型の障害があったりすると、
その中にはまり込んで永遠に待ち続けたり。
中盤〜終盤になると、
生産拠点から前線までの回送と、前線から修理補給拠点までの回送が、
「作業」になってくる。
自動補給機能や自動移動機能が付いていて、
一見便利そうだし、「作業」が軽減されそうなものだが、
自動補給機能は前述の様な状態で、
自動移動機能は現在地から指定地点に直線移動するので、
これまたU字型にはまったり、敵の真っ只中に突っ込んだり。
FreeBSD の ports から突っ込むと tcl/tk 8.4 を使うんだけれど、
バグか相性問題かなにかがあって、まともに動作しない。
tcl/tk 8.3 に差し替えると、バグ無く、きちんと動作した。
そのへんは、追究していないので、よくわからん。
Debian / Ubuntu のパッケージ見たら、tcl/tk 8.3 を使う様になっていたし。
FreeBSD の xconq ports メンテナが間違えたんでしょう、きっと。
※ 環境変数の処理にバッファオーバーフローを起こすバグがあり、
セキュリティホールになり得るそうだ。
もっとも、狙って攻撃できる奴はいないと思う……、
xconq がマイナーすぎるので。
- Crimson Fields
- ばっさりとルールを簡略化して、わりと気軽にプレイできる感じの、
普通の戦術〜戦略級ターン制ウォーゲーム。
ゲームバランスやルールや操作性も、そこそこ良くまとまっていると思う。
ただ、敵の思考ルーチンは駄目駄目かもしれないけれど……、
戦闘ルールのバランスが良いと思うので、許してしまう感じ。
- 初心者向けの難易度低めの面から、
上級者向けの面まで揃っているし。
備考:
「マップが小さければ初心者向け」では無い事に注意。
マップが小さすぎると、
小競り合いでのミスを取り返すだけの空間が足りないのだ。
まぁマップが大きくなると、初心者には把握しきれなくなる、
と言うのはあるけれど。
- 索敵ルールも無く、
兵器の種類も各兵種に付き1〜2タイプのみで、
じゃんけんルールに近い戦闘ルールになっている。
種類が少ないけれどもルールのバランスが取れているので、
もっと種類が欲しいとは感じないと思う。
- 2001年頃、xconq が5系で開発を一旦やめた頃に開発が始まっている。
初めの頃はシステムの出来とかマップの出来とか、
いかにも始まったばかり、と言う感じだったけれど、
地味に改良を続けていたらしく、
2003年の 0.3 系頃になると遜色無くプレイできるレベルに仕上がっており、
2004年の 0.4 系になると、もう、一人前の出来になっていた。
この記事を書いている時点での最新版は 2005年10月の 0.4.9。
ここまで地味だが着実に改良を続けられるって凄いなぁ。
- 工画堂のガジェットトライアル体験版をプレイした時に、
妙なデジャブを感じたのだけれど、
Crimson Fields と、
システムの出来栄えとか、
戦闘ルール(各兵器間の相性が、ほぼじゃんけん様になっている)とか、
プレイの規模が似ているのだ……。
- ゲームシステムの作りも、ユニットのバランスも、マップのバランスも、
良くできていると思う。
敢えて難点を挙げると、ウォーゲームに付き物の、
戦局が決まった後の、
生産拠点から前線への移動と、前線から修理補給拠点への移動が、
「作業」になる……、
まぁ、これは仕方が無いと言えば仕方が無い。
- toolkit は、SDL を使っている。
SDL と言えば、非公式日本語ページの更新が、2000〜2002年頃で、
止まっているのだけれど……、飽きたのだろうな。
総本山の更新がほとんど無いのは……、
シンプル且つ完成度が高いからいじる必要が無いのかな?、
気付いたら、地味にあちこちで使われているみたいだし……、
tux君シリーズのゲームは、多くが SDL を使っているみたいだし。
- Advanced Strategic Command、略して ASC
- いわゆる普通の戦術〜戦略級ターン制ウォーゲーム。
こちらは索敵ルールもあり、
兵器の種類も各兵種に付き1〜3タイプくらいと、
xconq や Crimson Fields と比べると、ちょっと多め。
敵の思考ルーチンは駄目駄目かもしれない上に、
対COMP戦のキャンペーンマップのゲームバランスが滅茶苦茶なので、
6面までは耐えたが、そこでやる気無くして放り出した。
- こちらも、たしか、
2000年前後の xconq が5系で開発が止まるか止まらないかの頃、
開発が始まった……、
と思うけれど、公式サイトにもマニュアルにも開発履歴が見つからない。
初めてインストールしてみたのが、
Crimson Fields と同時期だったか、それよりちょっと前だったか、だから、
開発開始も多分その頃だと思うんだけれど。
ソースパッケージの中の ChangeLog によると、
開発開始は、どうやら、1999年11月頃らしい。
初っ端の頃は、出来がいまいちだった様な気がするけれど、
わりとすぐに、遜色の無いレベルに達した……けれど、
2002年頃だか2003年頃だったかに、あっさり開発が止まった、と思った。
でも、年に1〜2回くらいのペースで、更新されていたらしい。
気付いたら 2006年1月に 1.16.3 が出ていたらしい。
- 戦闘の規模としては、大戦略より簡略で、Crimson Fields より複雑。
Crimson Fields の様な、割り切った簡略化をしていないので、
一般受けは悪いかもしれない。
- 物資は、エネルギー、資材、燃料、と3種類に別れており、
補給も、資材、燃料、
マシンガン弾、キャノン弾、ミサイル小、ミサイル大、地雷、魚雷、爆弾、
以下略、
と、細かく別れている。
建造物も、
司令部、生産拠点、補給拠点、
風力発電所、太陽電池発電所、電力貯蔵拠点、
鉱山、
油井、石油プラットフォーム、ガソリンスタンド、
港、空港、
以下略、
と、細かく別れている。
さらに、鉱山、油井系では、電気が来ていないと生産できないし、
生産拠点や補給拠点では、電気と資材と燃料が届いていないと生産できない。
どうやって届けるかと言うと、
輸送車両に積んで運ぶか、パイプラインを施設するか、
しなければならない。
と、言う様に、補給線が妙にこまかい。
システムのバランスに関しては、補給関連が妙にこまかいので、
好みが別れるかも。
- 操作に関しては、マウスの反応が変に悪いのをおけば、
敵味方の移動可能範囲の確認とか射程の確認とかできるあたりは親切、
でも、1ユニット毎でしか確認できないので、
弾幕状況の把握ができないあたり不便……。
建造物内でのパラメータの見方や設定の仕方が不便。
- ZOC は、ユニット同士の組み合わせや耐久力の残り具合で、
効き目が変わるが、ZOC の広がりを確認する方法が無い。
- ユニットのバランスに関しては、
まぁ良いでしょう。
- マップのバランスに関しては、はっきり言って、
何か根本的な所で思い違いをしているとしか思えない、
はっきり言って、
対COMPキャンペーンモードのマップのバランスは目茶苦茶、
正気の沙汰ではない、悪い意味で PD5Xの上を行く詰将棋。
POWER DoLLS 系は、
双方とも補給も生産も無しで、
こちらは敵よりもわりと有利な兵器を使って、
10倍の敵を、五月雨式に、相手にしていた。
Remote Presence は、
双方とも1日の中では補給も生産も無しで
(翌日には敵が生産?するけれど、
ゲームバランスがおかしくなるほど多くは無い)、
敵よりもちょっと有利な兵器を使って、
5倍?の敵を、五月雨式に、相手にしていた。
ところが ASC は、
敵と全く同じ性能の兵器を使って、
3倍の敵が、同時出現して、全部相手しなけりゃならん上に、
キャンペーンが進行していくと、
敵は補給できるけれど自軍は補給できないだとか、
それに加えて敵の量が自軍の5倍とか10倍とかになるとか、
しまいには敵は自軍の10倍の初期兵力の上に生産も補給もできるけれど
自軍は生産も補給もできないだとか、
なってくる。
Remote Presence が駄目だと言われる由縁は、
システムが複雑になったのに操作が旧来のままで状況把握がしにくいとか、
索敵範囲と射程のバランスとか、装甲と貫通力とダメージのバランスとか、
そう言ったユーザーインターフェースやチューニングの辺りが
(納期や予算の都合で)駄目だったせいではないかと思う。
ASC では、
ミッションの設計思想と言う段階に於いて、
根本で間違っているのではないかと思う。
状況が困難なら良いってわけでも無いと思うのだが。
- これも SDL 使っている。
Last modified on Wed,30 Aug,2006
Modified on Sat,09 Nov,2002
This contents was founded in Tue,29 Sep,1998.
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