CoCoon CSV-EX9の改造


■HDDの交換

うちのEX9も6年くらい使っているのでそろそろHDDやばそうだな、ってことで壊れる前に 250GBから500GBに交換しました。 HDDの物理的な交換は簡単ですが、交換しただけではやはり動かず(いちおう試しました)システムデータをコピーする必要があります。 システムデータのコピーはLinuxマシンが一台あればそれを利用して作業を行うことができます。

パーティッション構成

オリジナルのものからデータ領域だけ大きくして割り当てればよいのですが、必要以上に大きな領域があるので縮小しました。

パーティッション構成の調査結果と変更後のサイズ(サイズ旧→新)以下の通りです。
パーティッション構成
番号 マウントポイント タイプ ファイルシステム サイズ(GB)旧→新 内容
1 /pvr/disk1/stream Linux xfs 227 → 478 動画データ(.ts)
2 /pvr/disk1/info Linux xfs 2 → 3 動画データの何か(.inf, .sct)
3 /pvr/disk1/playlist Linux xfs 2 → 1 動画データのプレイリスト(.plst)
4 無し Extended 無し12 → 6 拡張パーティッション(5-9のパーティションが含まれている)
5 /mnt/rsrc Linux xfs 1 → 1 メディアサーバデータ
6 /mnt/config Linux xfs 1 → 1 設定データ
7 /var Linux xfs 1 → 1 システムワークエリア、ログ
8 不明 Linux xfs 5 → 2 ユーザphotoストレージ
9 無し Linux swap4 → 1 スワップ
*4,9を除きxfs。 4 は 拡張パーティッション, 9 は swap

fdiskの表示では以下のようになっています。

Disk /dev/hdc: 250.0 GB, 250059350016 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 30401 cylinders
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 bytes

 デバイス Boot      Start         End      Blocks   Id  System
/dev/hdc1               1       28301   227327751   83  Linux
/dev/hdc2           28302       28556     2048287+  83  Linux
/dev/hdc3           28557       28811     2048287+  83  Linux
/dev/hdc4           28812       30341    12289725    f  W95 Ext'd (LBA)
/dev/hdc5           28812       28938     1020096   83  Linux
/dev/hdc6           28940       29066     1020096   83  Linux
/dev/hdc7           29067       29193     1020096   83  Linux
/dev/hdc8           29195       29831     5116671   83  Linux
/dev/hdc9           29832       30341     4096543+  83  Linux

Disk /dev/hdd: 500.1 GB, 500107862016 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 60801 cylinders
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 bytes

 デバイス Boot      Start         End      Blocks   Id  System
/dev/hdd1               1       59573   478520091   83  Linux
/dev/hdd2           59574       59939     2939895   83  Linux
/dev/hdd3           59940       60062      987997+  83  Linux
/dev/hdd4           60063       60801     5936017+   5  拡張領域
/dev/hdd5           60063       60185      987966   83  Linux
/dev/hdd6           60186       60308      987966   83  Linux
/dev/hdd7           60309       60431      987966   83  Linux
/dev/hdd8           60432       60675     1959898+  83  Linux
/dev/hdd9           60676       60801     1012063+  83  Linux

手順

fdiskで上記のようにパーティッションを切った後、それぞれのパーティッションを初期化し、データをコピーするという手順になります。 初期化は、xfsの領域はmkfs.xfs(xfsprogsに含まれているコマンド), swapはmkswapを使用します。

1. fdisk

ファイルシステムのタイプ指定は全部Linuxでいいみたいです。

2. xfsパーティッションの初期化(mkfs.xfs)

1,2,3,5,6,7,8のパーティッションをmkfs.xfsで初期化します。

注意しなければならないのは、xfsにはバージョンがあるということです。 最新バージョンで作成するとcocoonでマウントできません。 私はこれで、2、3回作り直す羽目になりました。 最終的には以下のようにオプションを指定することでマウントできるようになりました。


# /sbin/mkfs.xfs -f -i attr=0 -l version=1 デバイス

なお、http://www.sony.net/Products/Linux/Download/search.html で公開されているxfsprogsを使用すればなにも指定しなくてもマウントできたのかもしれません。

マウントに失敗するとハードディスクのチェックの画面が出て、しばらくすると電源が落ちてしまいます。

3. スワップパーティッションの初期化(mkswap)


# mkswap デバイス

でOKです。

4. データのコピー

録画データ関係のパーティッション1,2,3はコピーしません。 パーティッション5,6,7,8の中のファイルをコピーします。 写真データが不要ならばパーティッション8のコピーも不要だと思います。 cp でも tarでも できると思いますが、 私はxfsdump, xfsrestoreを使ってみました

余談

録画データの移行はできませんでした。 コピーするだけだと、番組名との対応付けができないみたいです。 起動時のチェックで大部分が削除され、残ったデータも番組名と中身が一致しませんでした。 ちょっとしらべてみた感じではどうやっているのかわかりませんでした。 パーティッション6のapp/config/rectitle.datとかrestitle.datにタイトル文字列らしきものは含まれているんですけどね。 シリアルコンソールにはTitleMgrさんが

02/22 20:43:44.1 TitleMgr> [Warn]Find unknown title in AFS_TitleManager. titleId = 23849
みたいなログをいっぱいだしています。


■シリアルコンソールをつないでみる

HDDボックスの下にあるCN402にシリアルコンソールが出ています。 RS232Cに接続するためにはレベルコンバータが必要です。

CN402のピン配置は以下の通りです。
番号機能
1GND
2GND
35V
4Tx(out)
5Rx(in)

ボーレートは38400bpsです。

ログ
NSC Boot Loaderとかいうネットワーク&ソフトウエアテクノロジーセンター(NSC)製と思われるBoot Loaderが使われています。でも操作方法がわからず、ブート処理をエスケープできません。

NSC Boot Loader Version 1.2 <built 11:46:08, 08/21/03 JST #3572>
Machine : UBX UX Trinity (UX2) (mips/ubx/ux2)
memory usage
    text: 0x80100000 - 0x80122d30
    data: 0x80123020 - 0x801248c0
    bss:  0x801248c0 - 0x80134d04
    heap: 0x85000000 - 0x85800000
NBL: UNDEF mode
: Comm Retry

: UX1BootMode = Normal Trigger = PowKey Status = ACOff 

xfsのバージョン問題ではまったときに原因を探る手助けになりました。

XFS: bad version
XFS: SB validate failed
mount: wrong fs type, bad option, bad superblock on /dev/hda7,
       or too many mounted file systems
Warning: Can't mount /dev/hda7(N=0)
Warning: There is no CRC LBA.
log_area_repair:/dev/hda7 
Phase 1 - find and verify superblock...
bad primary superblock - bad version number !!!

しばらく待っていると ログインプロンプトが出ます。 しかし、login名とパスワードがわかりません。

**************************************************************
Application Framework Servers Starting...............Finished 
**************************************************************
 
Phase 4.4 (ux2sysrc)start
sysklogd start
Starting system log daemon: syslogd klogd.
xlogd start
log rotate
calling getty
getty: ioctl() TIOCSPGR
MontaVista Linux 2.1, Professional Edition

(none) login:

ブートのエスケープ、linuxのlogin名とパスワードがわからないのでこれ以上は為す術がありませんでした。


参考にしたページ

  1. ANBの別荘,CoCoon CSV-E77のハードディスク換装メモ
  2. Lyrabrog!,CoCoon HDD交換
  3. 休刊・いけも新聞,CoCoon EX11 HDD換装

変更履歴

2009/03/06 このページを公開
2009/03/05 このページを作成
2009/02/22 交換完了

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佐藤益弘 thomas@fenix.ne.jp