★漢字Talk7.5.3をOSの入っていないMACにインストールする


1.はじめに

ジャンクや拾い物等ただ同然で手に入れたMachintoshにはOSのインストール ディスクが付属していないことがあります。 内蔵ハードディスクが飛んでしまったらおしまいです。
安く手に入れたMacですから、OSを購入することには抵抗があるでしょう。 Macで動作可能なただで手に入るOSとして、NetBSDやOpenBSD, linuxがありますが、 これらはMacOS上のブートローダを使用してブートしなければならないので、結局は MacOSが必要です。

現在では、漢字Talk7.5.3がAppleからダウンロードできます。 しかし、これをダウンロードしても簡単にはインストールできません。
公開されているファイルはsmi(self mounting image)形式なので、 unixやwindowsでは、展開することができません。 また、仮に展開できたとしても、Macでブート可能なMOやCDROMをUNIXやWindows上で 作成することはできないのです。

しかし、逆にいえば、以下が可能ならばインストールすることができます。

  1. Mac以外で、Macのブートディスクを作る
  2. 漢字Talk7.5.3のインストールファイルをMacに転送してMac上で展開&実行
ブートディスクは、AppleのFTPサイトにあるNetwork Access Diskという ブートディスクのイメージを利用し、PC-UNIX上で作成することができました。 このブートディスクから起動すると、AppleShareを利用することができます。
このブートディスクを使用すれば、PC-UNIX上にnetatalkパッケージでAppleShareの ファイルサーバを作成し、Macにファイルを転送することができます。


2.作業環境

ターゲット

ハードウェア
・MacII si
OS
・漢字Talk 7.5.3
使用ユーティリティ等
・Network Access Disk
・Disk First Aid

サーバ

OS
・OpenBSD2.8/i386
必要ソフトウェア
・linux emulation 環境
・Stuff It Expander linux版
・netatalk-990130

Stuff It Expanderで圧縮されたファイルの展開に、WindowsやLinuxを使用する場合は、 linux emulation 環境をインストールする必要はありません。


3.Stuff It Expander

Mac用のユーティリティ類はほとんど Stuff It によって圧縮されています OpenBSDやNetBSDでStuff It Expander linux版をLinux エミュレーション機能を 利用してすることになります。
本物のLinux環境が場合にあるには、そこで展開した方が楽でしょう。
Stuff It ExpanderはWindows版もあります。 Windows上で展開することができる場合には、linux emulation 環境と、Stuff It Expander linux版は不要です。
私はなるべく一つのサーバ上で作業を行いたかったため、OpenBSD上にLinuxエミュレーション環境を作って、Stuff It Expander linux版をインストールしました。

Linux エミュレーション環境のセットアップ

  1. カーネルのコンフィグレーションファイルにoption COMPAT_LINUXを追加してコンパイル、インストール
    このとき、option COMPAT_SVR4があると、OpenBSD2.8,2.9では linuxのバイナリの一部をSVR4と認識して実行してしまいます(どうやらstatic linkなELFはlinux/svr4の判別が不能なようで)。 COMPAT_SVR4は必要がなければコメントアウトしておいたほうが無難です。
  2. ports.tar.gzを展開して、ports/emulators/redhat_base で make install

Stuff It Expanderをインストール

  1. http://www.aladdinsys.com/expander/ からlinux版のStuffItExpanderをダウンロードします。
  2. /usr/local/で展開するか、適当なディレクトリで展開してunstuffだけパスの通ったディレクトリにコピーします。

4.netatalkのインストール

portsの展開

	# cd /usr/ports/net/netatlk
	# make configure 
  

megatronのパッチ

megatronパッケージには、バグ(たぶん)があって、ファイルの展開に成功しても 失敗したときと同じように、出力ファイルを削除して終了してしまいまいます。 この部分を修正します。 パッチファイル->patch-binmegatron-nadc2

	# cd /usr/ports/net/netatalk/work/netatalk-990130
	# patch < patch-binmegatron-nadce
一行書き加えるだけなので、手で書き換えたほうがいいかもしれません。
書きかえる場所は、bin/megatron/nad.cの nad_close() にあります。 status == KEEPのときに、ad_flush(), ad_close()がどちらも成功した場合 0を返すように、status == KEEPの{}の最後にreturn 0を入れます。 ちなみに、OpenBSDのPatchが当たっていない状態では、正しく動作するようです。 ソースコードを見る限り、そのときのreturn値は不定ですが、運良く0が返るようです。

install

	# make install

5.Network Access Diskを作る

Network Access DiskはAppleShareでファイルサーバと通信可能な ブートフロッピーです。 このブートフロッピ−を作るのもちょっと小細工が必要です。 しかし、netatalkの動いてるサーバと、このブート フロッピーを作ることができれば、後はどうにでもなります。

ダウンロード

日本語版は見つかりませんでした。
ftp://ftp.apple.com/Apple_Support_Area/Apple_Software_Updates/English-North_American/Macintosh/Utilities/Network_Access_Disk_7.5.sea.bin

展開

ダウンロードしたファイルは、MacBinary+sea形式です。 まず、MacBinaryのデコードをしてからStuffItExpanderで展開します。

	> unbin Network_Access_Disk_7.5.sea.bin
	> unstuff Network\ Access\ Disk\ 7.5.sea
Network Accessというディレクトリの中にNetwork Access.imageというファイルが あるはずです。これをフロッピ−に書き出します。

フロッピーへの書き込み

Network Access.image には、 84byteのヘッダがついているので、そのヘッダを除去します。

	> dd if=Network\ Access.image of=network_access.img bs=1 skip=84
フロッピ−ディスクに書き出します。
	> dd if=network_access.img of=/dev/fd0a

6.ハードディスクのフォーマット

  1. ftp://ftp.apple.com/Apple_Support_Area/Apple_Software_Updates/English-International/Macintosh/Utilities/Disk_First_Aid/_Disk_First_Aid_8.6.smi.bin をダウンロードします。
  2. afpdで公開しているディレクトリにコピーしunbin _Disk_First_Aid...
  3. Network Access DiskでMacを起動
  4. chooser --> AppleShare でファイルサーバを選択
  5. Disk First Aid.smi をダブルクリックしてマウント
  6. Disk First Aidを実行
  7. Initialize

7.漢字Talk7.5.3のインストール

  1. ダウンロード
    ftp://ftp.apple.co.jp/pub/AppleJapan/Macintosh/System/KT_7.5.3/KT_7.5.3.smi.bin
  2. afpdで公開しているディレクトリにコピーしunbin KT_7.5.3.smi.bin
  3. Macで、ファイルサーバにあるKT 7.5.3.smiをマウント
  4. 日本語が表示されないが気にせずKT 7.5.3フォルダ内の2番目のフォルダを開く
  5. その中の一番上のファイルを実行
  6. インストーラが起動し日本語のメッセージの表示されたウィンドウが現れるが、 ボタンは化けたまま。メッセージに続行をクリックせよとあるのでおそらく続行と 書いてあるはず。これをクリック。
  7. 化けてて読めないが下の真中でインストール先ドライブの選択、 右下がインストール開始。普通はデフォルトのまま右下をクリックすればOK

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佐藤益弘 thomas@fenix.ne.jp